整体による施術は、筋肉の緊張や不正な姿勢が原因で起こる腰痛を、骨盤矯正や伸ばし方を用いて改善が期待できます。さらに、特定の症状を正確に判断し、身体のバランスを整えるための調整や確認を実施することも特徴の一つです。

 

この記事では、整体による腰痛の改善方法と、整体で対処しにくい腰痛の種類について詳しくご説明します。

 

整体による腰痛施術の流れ

 

整体院によって多少の違いはありますが、一般的に整体での腰痛改善は以下の流れとなっています。

 

・診断

・筋肉の弛緩

・骨盤の調整

・インナーマッスルの活性化

・日常生活のアドバイス

 

それぞれについて、みていきましょう。

診断

 

まず、施術前に腰痛の診断をします。 身体のバランスや痛みの具体的な箇所を詳しく調べ、それをもとに施術方針を決定します。

 

全身の状態を把握しなければ、施術の方向性を定めることが困難なためです。また、この段階で整体施術が適切かどうか、原因を特定することも大切です。この時点で、具体的な施術プランや目標設定を行います。

 

筋肉の弛緩

 

整体施術が適切であると判断された場合、筋肉の弛緩を行います。

 

腰痛の一因として、筋肉の硬化による痛みが挙げられます。この痛みが筋肉をさらに硬化させ、痛みを悪化させる負のサイクルを引き起こすのです。

 

このサイクルを断ち切るために、筋肉を柔らかくしていくことが重要です。 筋肉が緩むことで、骨盤の調整もしやすくなります。

 

骨盤調整

 

筋肉の緩和が達成されたあとは、整体施術により骨格調整をします。脊椎周辺を圧迫する動作・足の伸縮・股関節の回転などを通じて身体のバランスを整えていきます。

 

骨盤調整をすることにより骨盤の歪みを修正し、正しい位置に戻すことが期待できるのです。

 

インナーマッスルの活性化

 

一部の整体では、歪みを矯正した状態を維持し、さらに強化するためにインナーマッスル（深層筋肉）をターゲットとしたトレーニングを実施します。インナーマッスルの活性化の目的は、施術効果を長期にわたって保つことです。整体院によってアプローチは異なりますが、特定の手法を取り入れていることは共通しています。

 

日常生活のアドバイス

 

整体では、日常生活のアドバイスにも力を入れています。たとえば、不適切な腰の使い方・腰痛を悪化させる可能性のある動作・腰に負担をかける生活習慣などを特定し、その改善を促します。

 

さらに、自宅で行える整体効果を持続させる運動や、腰痛軽減に役立つストレッチの方法も教えてもらえるのです。

 

その場限りの施術のみにならず「日々の生活のなかで症状を管理できるように」と提供されるアドバイスは、しっかりと受け入れることが大切です。

 

整体で対処困難な腰痛の症状

 

整体はさまざまな腰痛に対応可能な施術です。しかし、以下のような症状がみられたら、腰痛改善を期待するのは困難な場合があります。

 

・両脚に感じる強烈なしびれ感

・脊椎の顕著な変形

・内科的な疾患が原因の場合

 

それぞれについて、ご紹介します。

両脚の激しいしびれ

 

両脚に激しいしびれがあり、感覚が著しく低下している場合の腰痛は、整体による施術効果を見込むのが困難です。これは、神経が何かしらの要因で強く押圧されていることが原因です。無理に施術を受けることで、症状の悪化を引き起こす可能性があります。

 

脊椎の顕著な変形

 

進行した骨粗鬆症により脊椎に顕著な変形が生じている状態の腰痛は、整体での施術が適さない場合があります。この状況での施術は、脊椎のさらなる変形や変形した脊椎が神経を圧迫し、しびれを引き起こす可能性があります。したがって、重度の脊椎変形がある状態は、整体での対応が困難な場合が多くあります。

 

内科的疾患による腰痛

 

腰痛は、内科的疾患からも生じることがあります。たとえば、腎臓関連の病気（腎結石・腎盂炎・尿路結石）は腰部に激しい痛みを引き起こし、腰痛と勘違いする場合があるのです。

 

消化器系の疾患の場合、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胆石・胆嚢炎・膵炎などの症状がみられます。症状として腰痛のほかに、腹痛・血便・嘔吐などが現れることがあるのです。 さらに、心筋梗塞や子宮内膜症などの循環器系・婦人科系の疾患でも腰痛が報告されています。

 

また、悪性腫瘍が背骨に転移することにより、腰痛が引き起こされる場合もあるため、腰痛は軽視できません。

 

内科的疾患が腰痛の根本原因である場合、整体による施術での改善は望めないため、整体施術は適していないといえます。

 

施術不可能でも正確な対応は実現できる

 

整体では施術不可能な腰痛でも、専門的な目で正しく判断してくれます。整体師が施術不可能と判断した場合、無理に施術を行うことはなく、必要に応じて適切な医療施設への紹介や受診をすすめてくれます。

 

もし、内科的な問題が原因で腰痛が生じているかわからない場合は、整体師へ相談してみると良いでしょう。

 

整体が得意とする腰痛のタイプ

 

整体は一般的に、腰痛施術において得意とされる分野です。 ここでは、先に述べた条件に当てはまらない、整体の手技が特に効果的な腰痛のタイプについて説明します。

日常生活の姿勢に起因する腰痛

 

腰痛と日常生活の関連では、身体の使い方が重要になります。

 

たとえば前屈みの姿勢をした際、腰に痛みを感じる人は、股関節を使う代わりに腰部分から曲がっている可能性があります。 このような習慣を持つ人は、背骨・椎間板・腰周りの筋肉に過剰な負荷がかかり、腰痛の一因となっていることがあるのです。

 

整体では、このような不良な生活習慣を特定し、状況に応じた適切な施術を提供することが強みです。

姿勢不良からくる腰痛

 

姿勢不良が原因の腰痛も、整体によって改善の見込みがあります。

 

たとえば、猫背や反り腰など特定の姿勢が腰痛の原因となっている場合があります。日々の姿勢が悪いと、身体のバランスが崩れてしまい、特定の筋肉に過剰なストレスがかかり腰痛を引き起こすのです。 姿勢不良からくる腰痛は、姿勢を正すことで軽減される可能性が高いです。

 

姿勢不良からくる腰痛は、整体施術を受けることにより、改善することが期待できます。

 

筋肉の緊張による腰痛への対応

 

整体では、筋肉が緊張することによって引き起こされる腰痛にも対応しています。 筋肉が長時間同じ姿勢を保持することにより緊張し、血管や神経を圧迫してしまう場合があります。 圧迫が原因で痛みだけではなく、片足にしびれを感じる神経系統の症状が現れることもあるのです。

 

こうした筋肉の緊張による腰痛は、筋肉をリラックスさせることで改善が期待できます。

 

まとめ

 

この記事では、施術の流れ・整体で対処できない腰痛のケース・整体が得意とする腰痛のタイプについてご紹介しました。

 

多くの人が膝の痛みや肩こりの改善として整体を思い浮かべますが、腰痛改善も整体の得意とする領域の一つです。原因によっては整体施術での改善は困難ですが、日常生活で無意識に行なっている身体の使い方や姿勢不良からくる腰痛には改善が見込めます。

 

腰痛に悩んでいる方は、整体院を訪れて相談してみましょう。